講義概要

共通基盤科目

メディアデザイン基礎

本講義は、色彩・構成などの基礎的なデザイン理論を学び、その上でアイデアの発想法からプロトタイプ制作までのデザインプロセスを体得する。デザインの基礎能力として、最初の能力は自分自身の経験を拡大する経験のデザイン力である。次に必要となるのはアイデアを形にするプロトタイプを素早く作るコンテンツデザイン力である。本講義では個別の能力の紹介と訓練を経て、全ての能力を総合的に活用する「ダーティプロトタイプ」作成作業を行い、またコンテンツデザインにおける先端テクノロジに関する重要性を理解する。

メディアテクノロジ基礎

新しいメディア技術は、人々の行動様式を変え、新しい文化と文明を生み出すためのツールである。社会を変革することを目指す者にとって、メディア技術の理解は不可欠である。この講義では、論理学と基本的な数学の知識、プログラミングの基礎的知識としてのアルゴリズムとデータ構造、ネットワーク技術と分散システム、マルチメディア情報の表現技術、システム構築と運用、およびセキュリティ技術について、システムのプロトタイピング等により、基本的な理解とスキルを獲得し、モデル化の基礎を学ぶ。

メディアマネジメント基礎

本講義では、メディアビジネスを実践することにおいて求められるリーダーシップ、人間力などの基本資質を身につけることを目的とする。またメディアコンテンツビジネスにおける新しいビジネスモデルの発案から、プロジェクトのマネジメント、市場でのディプロイメントやマーケティング、消費者へのサービス提供まで、一連の価値連鎖プロセスをマネジメントするための基礎力を身につける。さらに経営者として必須となる企業責任や企業倫理の在り方についても検討する。

メディアポリシー基礎

本講義は、社会の中で人間同士のコミュニケーションを介在するメディアに対する様々な政策問題を考える上での基本視点の構築を目的とする。政策目標と政策手段、そして政策決定プロセスといった基本概念の理解から、インターネットなど新しいメディアが生み出す政策的問題を考えるための分析的フレームワークの設定など多角的な観点からメディア政策に関する考察を行う。特に、放送と通信をはじめとするメディア関連法、著作権などの知財関連法の理解を通じて今後のメディア・デザイン産業の発展における政策の在り方を検討する。

英語論文基礎1

メディアデザイン研究科で研究を行っていくため必要となる英語力を身につけます。学術英語の論文を正確に読み、テーマを決めて、アイデアを思いつき、それをもとに内容を展開します。その後、自分の文章を論理的にきちんとした表現となるよう再構成します。また学術英語のフォーマットおよび引用の方法も学びます。授業の最期には自分で選んだテーマで短い英語の論文を仕上げて提出します。英語のレベルはESL(English as Second Language)とします。

英語論文基礎2

学術英語はいくつかの明確な決まり事を守って書くことが要求されています。まず、修辞学の視点から学術英語を正確に読む方法(critical reading)を学びます。さらに、修辞学上の技術を使って書く方法(academic writing)を学びます。学ぶべき決まり事は次の4種類9規則です。

1)Description
2)Narration 
3)Exposition
3-1)Examples
3-2)Process
3-3)Cause and Effect 
3-4)Comparison and Contrast
3-5)Definition
3-6)Division and Classification
4)Argumentation。

授業の最期には英語で書いたリサーチ・ペーパーを提出する。

理論・戦略科目

(デザイン系列科目)

エンタテイメント理論と創造戦略

「楽しさ」の本質を探り、先端技術を活用して楽しさをデザインするための表現手法及び理論を理解すことを目的とする。コンテンツデザイナーとしての感覚と知識を実践的に体得する。本講義では、様々なエンタテインメントの事例を通して、Funology、遊びの理論とストーリーテリングの組み立て方の基礎を理解する。

デザイン思考と経営戦略

デザイン思考と経営戦略の関連をイノベーションの視点から、ものとサービスをデザインすることで身に付ける。

マルチ感覚コミュニケーション

現実感設計

機械や建築物などの人工物を設計する上での基本は物理法則であり,物理法則に反してものを作ることはできない。同様に情報世界を構築する上では数理科学が基本法則となる。それではケータイ、ゲーム機、デジタルサイネージ、タブレット、カーナビ。我々の回りに溢れている機器、これらを設計する上での基本原理は何だろうか実は物理、数理だけでなく、「人間」についても深く理解する必要がある。人間は、感覚器(五感)を通し、大脳による情報処理を経て世界を理解し、筋肉を通して世界に働きかける。その結果は、再び感覚器を通して世界の変化として理解される。この講義では、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚と呼ばれる五感をはじめとする感覚・知覚、および筋肉による運動という人間の機能について学ぶことで「人間」及び人間の入ったシステムに関し理解を深めることを目指す。現実世界は身体の外にあるが「現実感」は我々の身体に内在している。この現実感を設計するために必要な感覚知覚身体メカニズムについて理解するとともに,ヒューマンインタフェース、バーチャルリアリティ、拡張現実感、ロボット、エンタテインメント工学に関する最新の研究事例を調査し、議論を行う。最終的には学生自らが国際会議に採択されるレベルの最先端のシステムを提案し、リアルプロジェクトなどで実装することを目指す。

(テクノロジ系列科目)

コンピューティングシステムアーキテクチャ

さまざまなシステムを構成する際に必要な実現手法のモデル化、アーキテクチャの構成方法、システム設計の手順を学ぶ。また、具体的な例としてコンピュータアーキテクチャ、オペレーティングシステム、プロトコルスタックを取り上げ計算機の仕組み、システムの仕組み、ネットワークの仕組みを学びながら具体的モデル化・設計手順を獲得する。また、これらの技術を応用プログラムから効率よく利用するためのミドルウェア技術についてその考え方と実際を学ぶ。「もの」を作る際の、手順、手法、配慮事項を身につける。また、そのために必要となる技術を理解する方法、あるいはそのための情報に到達するための知識を身につける。

ネットワークと運用

インターネットがどのように動いているのかということの全体像を理解することを目標とする。リアルプロジェクト等で新しいサービスを考える場合には、より正確な理解を得るために、参考書やプロトコル仕様を参照する必要があるが、それを理解できるための基本的な知識を与える。 サービスを公開するためには、動かなくなった場合のチェック項目の整備や、セキュリティ的な検討も必要になるが、それは授業の範囲外である。また時間の関係で実習を伴う実験・演習はできないが、それに関しては別途 Skill Course としてカバーする。

デジタルメディア・イノベーション

音や映像などのメディアがアナログからデジタルに進化する背景となる技術進化を理解するとともに、実際のデジタルメディアの応用における課題、それに対応した具体的なシステムの使い方を学ぶ。さらに実際に4Kまたは3Dなどの高品質なメディアの制作を体験する。

コンピューテーショナル・サービス・アーキテクチャ

今日で扱う新しいサービスはインターネットと全く無関係というものは非常に少ない。しかしながら、インターネットは万能なメディアではないため、これを考慮していないサービスは、一瞬動作しても使えるサービスにはなり得ない。この講義では、インターネットを中心とするネットワーク技術がどのようになっていて、ネットワークがどのように動いているかを紹介する。

(マネジメント系列科目)

メディアコンテンツビジネス

デジタル化、IP化・ブロードバンド化の進展は、既存のコンテンツとメディアの構造を崩壊させ、同一コンテンツのメディアを跨ぐシームレスな流通を可能にした。いわゆるデジタルコンテンツ・ネットワークが次世代の日本経済を担う中核部門として注目されている。しかし、その普及のためには、解決を要する様々な技術的・商業的・社会的・政策的問題が山積している。本講義では、急変するコンテンツとメディアの産業構造と問題点を理解し、多様なサービスプラットフォームを通じたコンテンツ流通を活性化するための方策・戦略を考えることを目的とする。

グローバル社会

ビジネスメディア論

変化の時代の事業戦略論

世界の多極化、情報通信技術の進歩、人口の偏在など、21世紀最初の10年は全く新しい事業環境が企業を取り巻いている。国境、業界、組織がオープン化し、力のシフトが起こる中、企業はいかに自らの強みを見出し、世界を視野にいれて事業を展開して、競争優位性を確立するか。同時に多様なステークホルダーから社会的な課題解決への期待が寄せられる中、いかにこれまでより広い視点から新しい価値を創造し、それを獲得するか。
本コースは、事例を用いた議論中心のワークショップ方式で行われる。

(ポリシー系列科目)

メディア・ポリシー

通信ネットワークがブロードバンド化し、放送ネットワークが双方向化されると、情報の形態や伝送媒体の違いによる産業間の区分は無意味になる。今まで別々の領域であった放送と通信がデジタル化、IP化、ネットワーク化等の技術発展と需要の多様化を受け、その産業構造や法制度が持続的に統合されることになる。本講義では、こうしたメディア部門における技術、産業構造、サービス様式、消費形態におけるパラダイムシフトに対応するための、メディア融合政策の在り方について考える。

知的財産戦術

知的財産を巡る世界的な競争が激しくなっていく中で、知的財産に対する国家政策としての戦略的な取り組みの重要性が高まっている。本講義では、デジタルメディア・コンテンツ分野における知的財産政策、具体的には著作権政策、特許・商標政策、不正競争防止政策、そして国際標準政策を中心に、現状分析や諸外国における知的財産政策との比較分析を通じ、日本の知的財産政策の在り方について考える。

イノベータ科目

イノベータセミナーは、メディア・イノベータに求められる先端的な動向やユニークな視点の考え方をリーダーの経験や先端的な取り組みをレクチャーシリーズとしてKMD教員と多彩なゲストスピーカーで紹介し、履修生が幅広い関心を持ち、様々な刺激を体感することを目指す。

スキル科目

スキル科目は、リアルプロジェクトを遂行する上で必要となる基礎知識と実践的な基礎スキルの習得を目的としている。モジュール単位で提供され、短期間に基礎を身につける。
本科目ではモジュール群のうち、4 つを組み合わせて1 科目1 単位として認定する。

(開講科目)

プロトタイプ、モデリング、および調査技法
実験計画法
Making Apps
映像表現技法 Cinematic Production
先端ストーリーテリング法 Advanced Storytelling
デッサン
Cinematic Expression (Editing)
メディアエンジニアリング技法
デザイン技法
デザイン事業戦略技法
メディアプログラミング技法
Cプログラミング基礎(1) 
Cプログラミング基礎(2) 
文書処理
システム運用
プログラミングツール
高品質映像基礎1 
政治学基礎
地方経済論
マーケティング基礎
遠隔コミュニケーション基礎
起業基礎
政策基礎
著作権制度論
メディアとプライバシー
ゲーム理論
市場分析
国際経済学
統計学
会計学基礎
ファイナンス基礎
ブランディング

特別研究科目

メディアデザイン研究

メディアデザイン学として必要なデザイン力、テクノロジ力、マネジメント力、ポリシー力の複合的な視点とリアルプロジェクトから得られた実学的な研究実績に基づき、履修者は各自の研究の構想を立案する。社会が直面した課題から研究テーマを見つけ、独創的な視点から問題解決を提案し実証していくために必要なアプローチと手法を指導する。その上で、指導教員に進捗状況を逐次報告し、指導教員ならびに他の担当教員から学術的な論文作成上必要な助言と指導を受ける。

プロジェクト科目

基礎プロジェクト

リアルプロジェクト

リアルプロジェクトでは、メディアデザイン分野における社会が直面している課題を取り上げ、デザイン、テクノロジ、マネジメント、ポリシーの4軸を複合的に適応した実践的な研究として問題解決に取り組む。学生と教員が共同で研究を推進しながら社会に積極的に関わるだけではなく、プロジェクト遂行のために必要となる5つの力(フィールドワーク、戦略立案、発想術、試作、実行と検証)を実学として獲得していく。学生は、各自の役割の中で、自らの研究としての独創性を発揮していくことが求められる。