造形美だけではないデザインの価値

山本龍

日本

CAREER  2010年4月入学、2012年3月修士課程修了

学部時代は建築設計を学び、デザインするという行為を感覚的に、あくまで主観的に行っていました。しかし、KMDではモノの形を作るだけではなく、モノを通して使い手が得られる経験を創造する事の意義を学びました。メディアファニチャーというプロジェクトに参加し、実生活に基づいたリサーチ、アイデア出し、コンセプト構築を丁寧に行い、さらに家具のプロトタイプを作り、 ユーザーに普段の生活の中で使ってもらい、検証を繰り返す作業を通して、なぜつくるのか?そもそも、デザインとは何か?という根源的な問いを常に考えさせられました。
現在はイタリア・ベネトン社のリサーチセンター・ファブリカのプロダクトデザイナーとして、ミラノサローネなど国際的な展示会で作品を発表しています。KMDでの訓練は私のデザイン活動の基盤になっています。造形美だけでは到達できない領域にデザインの価値がある、という実感を持ってヨーロッパ の地で日々闘っています。

(本記事は2014年3月に作成されたものです。)