2023年より、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科のEmbodied Media Projectは、キルギスの遊牧文化をテーマとしたインタラクティブな体験Mirrored Cultureを開発しています。本プロジェクトは、生成AI技術を活用し、自身の分身であるCultural Twinを創出することで、より深い文化理解を促進し、デジタル観光体験の拡張を目指しています。
このたび、Mirrored Cultureプロジェクトは、大阪・関西万博(EXPO 2025)にキルギス館との協働の下、出展されることとなりました。
EXPO 2025での本展示Mirrored Cultureは、日本とキルギスの観光分野の代表者36名に向けて紹介されました。キルギスの遊牧文化を反映した自分の分身であるCultural Twin に出会うことができる体験として、万博の会期終了までキルギス館(コモンズA)にて公開されています。
展示情報
・会期:9月29日(月)〜10月13日(月)
・会場:大阪・関西万博 キルギス館(コモンA)
プロジェクト背景
キルギス文化において最も重要な生活要素の一つは「ユルタ(移動式住居)」です。ユルタは人々、伝統、自然を結びつける調和の象徴でもあります。「Mirrored Culture」では、このユルタをキルギスの文化遺産へとつながるポータルとして位置づけ、参加者が自らの「カルチュラル・ツイン」を創造し、自己を映し出しながら多様な伝統や体験に没入できるインタラクティブ・デザインを提案しています。
「Mirrored Culture」は、2023年にアジザ・カニメトヴァによる修士課程のデザインプロジェクトとして始まりました。その後、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科Embodied Media Project において、南澤孝太教授と吉田貴寿特任助教の指導のもと、成長を続けています。本プロジェクトは、キルギスの遊牧文化を紹介するとともに、新たな文化交流の可能性を創出することを目標としています。
これまで「Mirrored Culture」は、他者の視点を体験するインタラクティブ・メディアの開発に注力してきました。そのデザインは、異なる文化間の違いや共通点を学び合える空間をつくることを重視し、参加者が自らの「カルチュラル・ツイン」を生み出し、キルギス文化を通して自己を鏡のように映し出す体験を可能にしています。


