全力で手と足を動かしチームで助けあうことの大切さ

佐藤千尋

日本

CAREER  2008年4月入学、2010年3月修士課程修了/2010年4月入学、2013年3月後期博士課程単位取得退学

幼少期はニューヨークで過ごし、ピアニストになるべく教育を受けていました。大学は経済学部で経済地理学を専攻し、既存の都市を分析する方法を学びました。しかし、実際に何かをつくりたいという気持ちが強く、たまたま山手線内で見かけたKMDのポスターがきっかけで一期生として入学しました。当初はPCもまともに扱えなかった私でしたが、チームメンバーに恵まれ、数々のディスカッションや技術共有を行った結果、修士では複数センサを組み込んだポータブルデバイスをつくり、自分自身の興味地図をつくるシステムを構築しました。諦めずに全力で手と足を動かすことで何かしらを得られることと、チームで助けあうことの大切さを肌で感じました。ものを生み出す楽しみと苦しみの虜になってしまい、博士課程進学を決めました。
博士課程になってからは、元々慣れ親しんでいた音楽という題材を切り口に空間デザインのプロジェクトを立ち上げました。最初の1年間はチームでプロトタイプ制作と飛び込み営業を繰り返し、一緒に研究をしていくパートナー企業にめぐりあえたときには、研究を続けてきて良かったと思いました。
現在は、大規模商業施設において、人々が何度も来たくなるように、音を用いて空間をデザインするプロジェクトの全体責任者をしています。商業施設内の人が集まりにくい副動線に対して、より多くの人を呼び寄せられるような道のデザインを行っています。施設運営企業と議論し、新しい商業施設の設計方法を生み出そうと日々取り組んでいます。
(本記事は2013年3月に作成されたものです。)