デザインの追求、定義、そして実践

ニヤ・カビール

カナダ

CAREER  2012年9月入学、2015年3月修士課程修了

2012年秋にKMDに入学する前は、トロント大学で人間とコンピューターの相互作用について専攻していました。卒業後はパートタイムで教授の補佐をしながら、ビジネスにおけるデザイン事例についての研究もしていました。というのも外国人留学生やアントレプレナーとの交流を通して、国際的な視点からデザインを研究し合成手法を追求するようになりました。以前からグローバルに活躍するデザイナーになりたいと思っており、国境を越え、異なる文化的・社会的背景において、問題を精査し機会を評価するのに必要なスキルを習得したかったのです。
“どうしたら欧米中心の固定概念を打ち破り、国を越えて柔軟に考え、理解するに至るのか?”
“どうしたら社会にインパクトを与えるデザインを具現化するために必要なスキルとツールを得られるか?”
と常に自分に問いかけていました。
そしてこれらの問いかけがきっかけとなり日本で修士を取ることを決意したのです。
KMDに入学したことにより、いくつもの門戸が開かれました。そのひとつは、GIDの第1期生としてプログラムに参加したことで、いままでとは異なるデザインメソッドを学ぶことができ、多種多様のスキルを持ち合わせた人と協働して研究活動を行う機会を得ました。
修士課程修了後は、Slush Tokyo (Slush Asia) 立上げの一員として、チェンジメーカーや業界のキープレーヤー、そして種々のコミュニティビルダーに声をかけ、スタートアップエコシステムを確立しました。Slushにいた4年間は新興企業やチームとともに事業のニーズを満たすデザインを提案するフリーランスの仕事もしていました。その後1年間ベンチャーキャピタル企業で働く経験を経て、再びデザイン会社に戻りビジネスにおけるデザイン事例に取り組みました。
現在は、スタートアップエコシステムのさまざまなステークホルダーのデザインパートナーを目指しN. A. K. Studiosという会社の立上げにかかわっています。ビジュアル以外の方法でデザインがビジネスにインパクトを与える可能性について協業して事例をつくることを目的としています。デザイン手法の進化と、数多くのツールが編み出されたことで、あらゆる問題を解決したり機会を発見したりすることが可能になりました。N. A. K.は創設者や新興企業とともに、現在の状況のもとで最良のデザイン事例を創っていく存在になりたいと思っています。
(本記事は2019年3月に作成されたものです。)