理論・戦略科目
(デザイン系列科目)
ドリームドリブンデザインとイノベーション
手に入れたい未来を描くためのドリームドリブンデザインについて理解を深める。人の潜在的なイマジネーションや夢の力を用いて、近未来を描き、今日にバックキャストをすることで、今何を実行するべきかを明らかにする。本手法は、まず好奇心や疑問を持つことから始め、様々な興味ふかい「点」を発見し集める。次に、夢、白昼夢、イマジネーション、ファンタジーの力を駆使して点と点を結び、クリエイティブなひらめきをとおして斬新なアイディアを生み出す。アイディアをストーリーに変換することで魅力的な欲しい近未来の世界観を描く。最後に、この未来像をプレイフルでアートフルに表現する。
身体性インタラクション
人の身体における各種感覚の機能と仕組みを知り,人が行動を通じて世界を認識するメカニズムを理解することで,テクノロジーを用いて身体的経験をデザインする手法を学ぶ.
マテリアルインタラクション
近年は、様々な新素材が開発され、デザイナーやアーティストも新しい素材を用いて、あるいは自ら開発して、新たなデザイン、表現、デバイスの開発を行っている。本授業では、マテリアルインタラクションの手法を用いて、マテリアルの特性を観察し、制御する方法を学び、実際に応用する方法について扱う。具体的には、様々な特性(変形・変色)を持つ素材を実際に触れながら、構造についての理解を深める。さらに素材の特性を利用した成形方法(3Dプリンターやレーザー加工などのデジタルファブリケーション技術)について学び、素材の状態をセンシングする方法や素材の形や振る舞いを制御する方法を習得する。そして素材特性を組み合わせながら機能を追加したり、新素材を開発する技術について説明しながら、センサやアクチュエータ、ファブリケーションマシンの試作を通して、次世代のメディアをデザインする方法について学ぶ。
トランスメディア・クリエイティブ概論
メディアはその時代のテクノロジーと、その時代の人間の欲求に合わせて、変容(トランスフォーム)し続ける。このように多様化しながら変容するメディアを、本講義では「トランスメディア」と呼ぶ。これからの「トランスメディア」を設計していくクリエイティブ論とは、どんなものであろうか?VR/AR/MR、高解像度の映像と音、触覚、5Gなどの高速通信、AIやクラウドなどのテクノロジーによって、共感覚的に進化するメディア体験とは、どうデザインしていくべきか?本講義では、それを考察する。授業は基本、英語で行う。
ブランドドリブン・デザインプロセス
デザインとは、問題を解決するための1つの手法として捉えることができるが、実践的な用途でデザインを学ぶ方にとってのデザインとは「言語」であると言える。Design Language(デザイン言語)の差は、地域の文化や資源、社会の規模や成り立ち、そして各々から生まれるインスピレーションに起因する。Language of design(デザインされた言語)は普遍的であり、正しく扱うことができれば、あらゆる文化の垣根を超えて私たちのアイデアや価値観を世界に発信することができる。相手に意図を伝えるときは何らかのコミュニケーションをとるが、言語によるコミュニケーションは、いくつかある手段の1つにすぎない。文化から言語をうまく切り離し考えることができれば、より良いユニバーサルコミュニケーションを生み出すことができる。
エンパワーメントと社会変革のためのデザイン
This course is designed for students interested in exploring the potential of design to promote social transformation and empowerment and, sometimes, save lives. We will look at several initiatives where design (e.g. graphic design, product design, etc) plays a major role in changing behavior and raising awareness of those issues, and see the different formats it may have. Students will develop a visual communication strategy plan and prototype media channels, following the steps of design thinking. During the course, we will explore a variety of social issues in Japan and students will be encouraged to choose a cause they empathize with. They will investigate and analyze best practices, participate in discussions to find core problems, segment targets and define goals. Through this experience, students are expected to gain an understanding of communication design for social change and empowerment, basics of visual communication design in hands-on workshops, start the formation of a critical eye towards visual communication projects, and get more confidence when producing visual communication content.
サービスデザイン概論、サービスデザイン特論
本講義では、ウェルビーイングを提供できるサービス設計をできるようになるための導入講義を提供する。ウェルビーイングを提供する社会を実現するためにはイノベーションを起こすことが必要であり、持続的に運用されるためにはモノのみでは限界があり、サービスとして設計されることが不可欠である。イノベーション・マネジメント、マーケティング、管理会計、社会情報基盤、スタートアップ戦略、知財、哲学、の専門家を招き、サービスデザインするためのさまざまな手法について学ぶ。スタイルとしては、MOOCプラットフォームとリアルタイムセッションの両方を活用したBlended Learningの手法をとる。
都市におけるマーケットデザイン
本講義はウェルビーイングに暮らせる都市におけるマーケットのかたちを考える。人と人が関係をもって自律的な活動を生み出す都市をデザインするためには、自在につながり互いに提供し享受し合う価値がマッチングしているエコシステムが必要である。世の中には価格だけでは解決できないものがたくさんあり、進学先や就職先などの希薄な資源はどれだけお金を詰んだとしても手に入らなく、自分も相手に選ばれる必要がある。自分が提供する価値と相手から享受される価値がマッチして初めて関係が構築されるのである。本講義ではミクロ経済学、ゲーム理論の基礎を学び、その応用であるマーケットデザイン(2012年ノーベル経済学賞を受賞した分野)について読み解く。そして履修者自ら、都市生活の中におけるマーケットデザインが必要なケースを定め、実際に構築を試みる。
(テクノロジー系列科目)
コンピューティングシステムアーキテクチャ
さまざまなシステムを構成する際に必要な実現手法のモデル化、アーキテクチャの構成方法、システム設計の手順を学ぶ。また、具体的な例としてコンピュータアーキテクチャ、オペレーティングシステム、プロトコルスタックを取り上げ計算機の仕組み、システムの仕組み、ネットワークの仕組みを学びながら具体的モデル化・設計手順を獲得する。また、これらの技術を応用プログラムから効率よく利用するためのミドルウェア技術についてその考え方と実際を学ぶ。「もの」を作る際の、手順、手法、配慮事項を身につける。また、そのために必要となる技術を理解する方法、あるいはそのための情報に到達するための知識を身につける。
ネットワークと運用
インターネットがどのように動いているのかということの全体像を理解することを目標とする。リアルプロジェクト等で新しいサービスを考える場合には、より正確な理解を得るために、参考書やプロトコル仕様を参照する必要があるが、それを理解できるための基本的な知識を与える。 サービスを公開するためには、動かなくなった場合のチェック項目の整備や、セキュリティ的な検討も必要になるが、それは授業の範囲外である。また時間の関係で実習を伴う実験・演習はできないが、それに関しては別途 Skill Course としてカバーする。
デジタルメディア・イノベーション
音や映像などのメディアがアナログからデジタルに進化する背景となる技術進化を理解するとともに、実際のデジタルメディアの応用における課題、それに対応した具体的なシステムの使い方を学ぶ。さらに実際に4Kまたは3Dなどの高品質なメディアの制作を体験する。
コンピューテーショナル・サービス・アーキテクチャ
今日で扱う新しいサービスはインターネットと全く無関係というものは非常に少ない。しかしながら、インターネットは万能なメディアではないため、これを考慮していないサービスは、一瞬動作しても使えるサービスにはなり得ない。この講義では、インターネットを中心とするネットワーク技術がどのようになっていて、ネットワークがどのように動いているかを紹介する。
情報セキュリティ技術特論
本科目は、SecCapコースに関連するインターネット、暗号、ポリシー、マネージメントなどの各分野の第一線で活躍する有識者をお招きし、最新事情について学ぶ。受講者は、個別に専門的な知識を習得するだけでなく、幅広い分野の情報を得ることで総合的に問題を考える能力を養う。
パーセプションアウェアコンピューティング
In this course, we discuss the basics of human cognition/activities and how to capture/detect physical and cognitive activities using sensors. The majority of the course will be about explorative data analysis and visualizations using sensor data with a focus on application cases from Perception Aware Computing. Perception Aware Computing is computing that understands how we humans perceive our environment. With computers being more and more integrated into our surrounding, the limiting factor is no longer memory, battery power or processing speed, but human attention. For Computing to become useful in everyday situations, the interface needs to vanish as much as possible. Computing needs to become pro-active. Computing that deals with recognizing the users cognitive states can be called perception aware. We discuss the basics of human perception and how to recognize specific cognitive states using sensors. The sensing modalities covered include inertial motion sensors (found in most smart phones), computer vision, optical eye tracking as well as electrooculography etc. We explore basic research methodology related to experimental setups, giving the students a check list what to take care of when they design experiments or user studies, limiting biases and unwanted effects on the collected data. The students will learn to apply filtering and frequency analysis related to the sensing modalities. They will perform simple data analyses on sample projects and explore visualizations based on time series data. The machine learning part covers feature extraction and some common machine learning models used to understand human behavior (e.g. Hidden Markov Models, Support Vector Machines). In the last part, we will discuss how to induce long term behavior change utilizing perception-aware computing principles and work on a final project. The project can include an experimental setup related to reading detection using smart glasses, a data visualization on smart phone data, the concept for a mobile app related to concentration etc. depending on the students interests and ideas.
(マネジメント系列科目)
イノベーションと事業再生
デジタル化、IP化・ブロードバンド化の進展は、既存のコンテンツとメディアの構造を崩壊させ、同一コンテンツのメディアを跨ぐシームレスな流通を可能にした。いわゆるデジタルコンテンツ・ネットワークが次世代の日本経済を担う中核部門として注目されている。しかし、その普及のためには、解決を要する様々な技術的・商業的・社会的・政策的問題が山積している。本講義では、急変するコンテンツとメディアの産業構造と問題点を理解し、多様なサービスプラットフォームを通じたコンテンツ流通を活性化するための方策・戦略を考えることを目的とする。
グローバル社会
This class is designed for the understanding of global society and its possibilities/problems and provided as a sequence of workshops of analysis and discussions. We analyze the dynamic changes that was brought by the globalization of society that is based on the boarder-less communication platform in the several fields of culture, technology, education, economics, policy, governance, journalism and so on. After these analysis, we discuss about the problems and the future possibilities of each field based on the results of our analysis. Final challenge is to develop a new service concept based on the discussions. The goal of this course is providing the deep understanding on the current situation of global society and developing the insight about it.
ビジネスメディア論
固有のメディア(映像/音声/書籍/新聞/映画/アニメ/ゲーム/インターネットなど)がそれぞれどのような特性を有し、市場を形成し、どのような問題を抱えているかを分析する。 昨今のデジタル技術や新しいビジネスモデルの創発によって、個々のメディアがどのように変化を遂げ、新しい市場を形成しつつあるかをそれぞれ展望する。
ソーシャルクリエイション
本講義では、社会経済的に付加価値の高いプロジェクトを生み出す手法を学ぶ。 特に、創造力・表現力を育む経済・文化活動を題材とし、コンテンツ、公益サービス、ビジネス、NPO・企業コンソーシアム等組織その他プロジェクトを構築するリアリティーを身につけることを目標とする。DTMPそれぞれに光を当てながら、事例研究、ワークショップ、コンテンツ制作などを通じた提案型の講座とする。
グローバルビジネス戦略とリスポンシブルリーダーシップ
In this course, we discuss how large corporations provide value to modern-day society, and how social innovation can be a change maker for the society. The goal of this course is to understand the methodology of large global corporations for creating value for society, and also to consider how social innovation can change the course of society.
ベンチャー基礎(野村證券未来先導チェアシップ講座)
The sessions are aimed to help prepare the student for developing IDEAS in the Design and Media sectors. The objective is to develop the IDEA to the point that it can be validated with potential customers.The approach and material covered reflects current strategies at some of the world’s leading Start-Up Incubators in Design Schools with special emphasis on projects that have a design component.
ベンチャーローンチ(野村證券未来先導チェアシップ講座)
The sessions are aimed to help prepare the student for the start-up creation and launch process. Once the Validation with customers has been achieved then we go through the main building blocks of developing real startup. Students will be asked to develop marketing strategies, operations strategies and a financial plan for their startup Ideas as well as an overall investor pitch which they will present to a group of investors on the final day. There will also be exposure to the area of Corporate Innovation and in particular how Innovation today has changed from the past. Special emphasis is placed on how BIG DATA is affecting innovation strategies.
(ポリシー系列科目)
知的財産戦術
知的財産を巡る世界的な競争が激しくなっていく中で、知的財産に対する国家政策としての戦略的な取り組みの重要性が高まっている。本講義では、デジタルメディア・コンテンツ分野における知的財産政策、具体的には著作権政策、特許・商標政策、不正競争防止政策、そして国際標準政策を中心に、現状分析や諸外国における知的財産政策との比較分析を通じ、日本の知的財産政策の在り方について考える。
グローバルフューチャーのためのポリシー
「ポリシー」の概要と役割について考える。 政策がいかにビジネスやそれ以外の社会を形成するかについて、様々な分野で活躍するゲストスピカーの知見を通して理解を深める。
(グローバル系列科目)
オタク文化
アニメ、ゲーム、コミック、コスプレに代表される日本発のポップカルチャーならびにそれらのコンテンツは、ジャパン・クールと称する一種の国際文化ブームを巻き起こし、重要な文化として注目されている。また政策的にも国際競争力を持つ成長産業として期待されるとともに、クリエーティビティの源泉として国家ブランドにも影響を与える観点から外交・政治面でも注目され、具体的な諸活動の起爆薬として活用され始めている。このような、日本で創造されているポップカルチャーに潜在し様々な形で活かされているクリエーティブなコンテンツ技術、表現手法、デジタル技術といった「技術」と「表現」に着目し、これらの技法がどのような形で生まれ応用されていったのかを学ぶ。同時に、それらがポップカルチャーとして定着し、シミュラークルとして国内外を問わず展開していく様を具体的な事象、クリエーター、活動家と共有しつつ、その発展過程をリアルに感じていくことを目的とする。日本の経済発展の中に潜在していた社会ダーウィニズムから来る競争的クリエーティビティと、その中でいわゆる「オタク」が生み出し国際的に認められるようになった「文化」をその誕生背景から学び取り、どのようなイノベーションを繰り広げて発展していくかを共有する。 また国際面、特にアジア方面から次々と生み出される逆輸入型コンテンツをふまえ、それらを超えるような次世代アニメーション、次世代ゲーム、次世代表現といった進化形を参加者とともに考え、コンテンツジャンルのマッシュアップを含む新次世代デジタルコンテンツの潮流を予見する。国際協調型デジタル時代のジャパニーズポップカルチャーの実働例と直接ふれ合い、ネットワークを活用した遠隔からの透過的コラボレーションを最大限利用することで、教室を超えたアクティブな講座を実現する。
オタク文化のコンテンツ創造力と効率的な経済的効果の波及
コミック、アニメ、ゲーム、アイドル、Jポップソングといった日本発のポップカルチャーならびにそれらから生成されるコンテンツは、テレビ放送の普及の始まりである1960年(昭和35年)より加速度的に発展していった。本、雑誌という形で提供されてきたコンテンツは、コミック、小説、ゲームといった様々な媒体へと変化し、テレビ漫画(テレビアニメ)という形でメディアミックスが行われ、家庭へと浸透していく。それらのコンテンツは読者、視聴者がアマチュアクリエーターとなり二次創作物へと応用され、新たな創造コンテンツとして創出されていった。またそれらの二次創作コンテンツを流布・共有するための環境として、1962年より第1回日本SF大会(MEG-CON)、そして世界最大の同人誌即売会の原点であるコミックマーケットが1975年より開催される。このようなイベントは爆発的な一大コンテンツ創造産業の巣として発展を促し、いわゆるオタク文化拠点として、また国際的なコンテンツ創造拠点の舞台へと進化していった。未来先導チェアシップ講座では、このように日本で創造されてきたポップカルチャーが見出してきた創造と消費のスパイラル(循環)に着目し、コンテンツが生み出す新たな創造(二次創作,三時創作・・・)がもたらす国内・国際的な経済的効果の波及について学び、ポップカルチャーとして創造スパイラルを刺激する効率的手法について共有する。
インターンシップ
2018年度は開講されません。