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2026/07/07
慶應義塾大学KMD研究所に「B Lab」を開設 -テクノロジー、デザイン、政策、教育を横断し、社会課題の解決と新たな価値創出を推進-
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科附属メディアデザイン研究所(所在地:横浜市港北区、所長:石戸奈々子 以下、KMD研究所)は、「B Lab」を開設し、7月7日よりその活動を開始しました。今後B Labは、テクノロジー、デザイン、政策、教育を横断しながら、社会課題の解決と新たな価値創出を目的とする実践的研究・社会実装拠点として活動を開始します。 1. 設立の背景近年、AI・XR・IoT等の技術革新により、社会構造そのものを再設計する可能性が広がっています。一方で、優れた技術や研究成果が存在していても、社会実装や社会受容に至らないケースが多く、研究と社会の間に大きなギャップが生じています。B Labは、この課題に対し、「構想」「実証」「社会実装」を一体化した新しい研究モデルを構築することで、未来社会の実現を推進します。 (1)B Labの位置づけB Labは、研究、実証、社会展開を同時並行で推進する「社会変革の実行基盤」です。研究成果を論文や概念提案にとどめることなく、社会実装までを見据えた実践的な活動を行います。 (2)B Labの基本コンセプト本センターは、従来の大学内研究拠点の枠を超え、以下のコンセプトに基づく新しい研究・実装モデルを構築します。 ● 世界中の大学・研究機関との分散型研究ネットワーク  国内外の大学・研究機関・企業と連携したグローバルな研究コミュニティを形成します。 ● 世界各地をフィールドとする実証型研究 都市・教育・地域・企業など、多様な環境を実証フィールドとします。 ● 「だれでも研究員」という開かれた参加構造 研究者に限定せず、企業人、クリエイター、市民等の参画を可能とします。 ● イノベーション × インキュベーション(i²モデル) InnovationとIncubationを統合した循環型モデルを構築します。 (3)「B」に込めた意味B Labの「B」は、複数の概念を統合したものであり、本センターの思想と活動原理を象徴しています。 ア)越境(知の分断を前提とせず、横断的に接続する研究モデル) ・Boundary:分野・組織・国境といった既存の境界を越える ・Borderless:領域や立場に縛られない開かれた構造 イ)接続(多様な主体が交差し、新たな価値が生まれるプラットフォーム) ・Bridge:異なる領域や主体をつなぐ ・Base:共創のための基盤となる ウ)創造(未来を構想するだけでなく形にする実装志向) ・Build:未来を具体的に構築する ・Beyond:既存の延長ではない新たな可能性を切り拓く エ)変革(社会の前提そのものを更新するイノベーションの推進) ・Breakthrough:既存の枠組みや前提を突破する B Labとは、境界を越え、つなぎ、未来を構築し、社会の前提を突破するための拠点である。 2.具体的な活動計画 (1)未来ビジョン創出・社会構想研究本センターは、フロンティア技術、文化・表現、人間、社会システムを横断し、あらゆる領域において未来社会の構想と実装を行います。これら3領域は独立したものではなく、相互に交差しながら新たな価値を創出します。 (ア)Frontier:フロンティア技術領域(社会変革を駆動する最先端技術領域) ・生成AI、ロボティクス、XR、IoT、6G・量子技術、宇宙技術、フュージョンエネルギー・モビリティ、セキュリティ、医療AI・データ・ネットワーク・計算基盤  等 (イ)Creative:文化・人間・表現領域(意味・体験・価値を創出する領域) ・ポップカルチャー/コンテンツ/エンタメ・ニューロダイバーシティ、ウェルビーイング・メディア・コミュニケーション・アート・身体拡張、超人スポーツ、eスポーツ・価値観・文化形成 (ウ)Social:社会システム・制度・実装領域(社会構造をつくる領域) ・教育・都市・地方創生・政策・ガバナンス・ソーシャルインパクト、SDGs・新産業・ビジネスモデル創出・テクノロジーと経済の関係・社会実装・市場形成 AIから宇宙、量子、モビリティ、医療、エンターテインメント、eスポーツに至るまで、領域を限定せず多様なプロジェクトを同時並行的に推進します。 (2)実証・プロトタイピング本センターは、構想した未来を実環境において検証・実装する実証型研究を推進します。 • 実証フィールド(都市・教育現場・企業・地域社会等)におけるプロジェクト実施• テクノロジー等を活用したプロトタイプの開発• 企業・自治体との共同研究による社会実装の推進 (3)共創プラットフォーム構築(Co-Creation & Incubation)本センターは、研究成果を社会に実装するために、多様な主体との共創と、プロジェクトの事業化・発展を支えるインキュベーション機能を一体的に推進します。 • 企業・自治体・研究機関との共同研究による共創エコシステムの形成• 分野・組織・国境を越えた越境型チームの編成(「だれでも研究員」モデルの実装)• 研究・プロトタイプ・事業化を接続するインキュベーション機能の構築(i²モデルの実践)• 学生・若手人材を含む実践型人材育成プログラムの実施 (4)社会発信・文化形成(Adoption & Cultural Transformation)本センターは、研究成果を社会に広く届けるとともに、対話と体験を通じて社会受容を促進し、新たな価値観と文化の形成を推進します。 • 展示・イベント・メディア等を通じた成果の社会発信• 社会受容性の向上に向けた対話・体験設計• 新たな価値観・文化・社会的規範の創出• 未来社会のビジョンを共有する公共的プラットフォームの形成 本センターは、特定領域に閉じた研究拠点ではなく、領域横断的にプロジェクトを生成し続けることで、未来社会を構想し、実装するための中核拠点です。 補足)本センターは、iUにおいて展開されてきたB Labの研究・実証活動をKMD研究所に2027年4月までに完全に移管し、発展させるものであります。既存のプロジェクト、ネットワーク、知見を継承しつつ、KMDの研究基盤と統合することで、より高度な研究と社会実装を推進します。 3. B Lab 石戸奈々子 教授からのコメント B Labは、ありとあらゆる境界を越えて、人と知をつなぎ、未来社会を構築し、社会の前提そのものを更新していくための研究拠点です。ワクワクする未来を多様な人々と共創しながら、領域横断的に次々とプロジェクトを生み出し、研究と社会実装を両輪として、新たな社会価値の実現に挑戦していきます。このたび、KMDのDesign・Technology・Management・Policyを横断する教育研究基盤、そして社会実装を重視してきた実践知とB Labが融合することで、未来構想から実装までをさらに加速できることを大変嬉しく思います。 お問い合わせ先 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科附属メディアデザイン研究所  B Lab メールアドレス| info@blaboratory.org
Press Releases

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2026/07/01
微生物動態を活用した可変型バクテリアインクの建材塗装への応用
経済産業省所管 IPA「未踏アドバンスト事業」採択 SAMCARAプロジェクト リサーチャー:杉浦真也 共同研究・共同開発に関するお問い合わせ masaya69@keio.jp 微生物動態を活用した可変型バクテリアインクの建材塗装への応用 https://www.ipa.go.jp/jinzai/mitou/advanced/2026first/gaiyou-ur-1.html 本プロジェクトは、バクテリアインクの社会実装を目的とし、日本における新たな建材塗装技術としての可能性を探究する取り組みである。 近年、建材塗装や工業用インクの分野では、石油由来原料への依存やVOC排出、再塗装時に生じる環境負荷が課題となっている。また、世界情勢の変化に伴う原材料不足により、工業用インクの供給不安も生じている。 一方、人類は古くから発酵や医薬品の分野を通じて微生物を活用してきた。日本においても、味噌や日本酒などの醸造文化に代表されるように、微生物は文化や産業を支える重要な存在である。しかし、バクテリアの成長や軌跡そのものを「生きたインク」として建材表現へ応用する試みは、これまでほとんど行われてこなかった。 本プロジェクトでは、バクテリアが形成する構造色バイオフィルムに着目し、微生物由来の色彩を建材塗装へ応用する。従来の塗装技術が均質性や耐久性を重視してきたのに対し、本プロジェクトでは環境との相互作用によって生じる変化そのものを設計対象として捉える。形成条件や定着方法を検討しながら、変化の持続性と鑑賞性を両立した新たな建材表現の可能性を探究する。 さらに、建材・塗装分野との連携を視野に入れ、試作、評価、実装検証を段階的に進めることで、建築空間への応用可能性を検証する。本プロジェクトは、バクテリアを単なる素材としてではなく、環境に応答しながら表情を生み出す「共創主体」として捉えることで、人間と微生物の関係性を再定義する試みでもある。 最終的には、環境負荷の低減と感性価値の創出を両立した次世代の建材塗装技術として、バクテリアインクの社会実装を目指す。 関連プロジェクト・助成実績 CHROMA LIFE PROJECT 本プロジェクトとは別に、「CHROMA LIFE PROJECT」において、令和7年度に以下の助成事業へ採択されている。 松浦芸術文化財団 https://matsuura-foundation.org/business/#result 花王芸術・科学財団 https://www.kao-foundation.or.jp/art/art_assistresult/ 100BANCH  https://100banch.com/projects/chroma-life-project Future Materials Bank https://www.futurematerialsbank.com/material/cytophaga-lytica-iron-bacteria-cyano-bacteria/ 本助成は、「バクテリアインクと活版印刷の融合」を主題とした芸術制作・表現研究を対象とするものである。京都の和紙職人や印刷会社(修美社)との連携による素材研究、あぶらとり紙を用いた印刷表現の実験、ワークショップ、展示、アーカイブ制作などを実施している。 したがって、CHROMA LIFE PROJECTは芸術表現を主軸とした研究プロジェクトであり、建材塗装への社会実装を目的とする未踏アドバンスト事業とは、研究目的および実施内容の異なる独立した取り組みである。

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2026/07/01
SAMCARA Lab の「TAIKA」、Biodesign Challenge 2026 Summit で Silver Medal を受賞
SAMCARA Lab は、ニューヨークで開催された Biodesign Challenge 2026 Summit において、本プロジェクト TAIKA が「Finalist Project」として選出され、さらに「Concept and Reflection」部門において Silver Medal の評価を受けたことを大変光栄に思います。 TAIKA は、きのこ栽培後に廃棄される使用済み培地の化学特性を活用し、地震や自然災害時に木造建築の延焼を抑え、煙・有害ガスの発生を低減しながら貴重な時間を稼ぐ、持続可能なバイオ由来の難燃コーティングを提案するプロジェクトです。 本プロジェクトは、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 SAMCARA Lab がこれまで取り組んできた、都市レジリエンスとマテリアル・イノベーションに資するサーキュラー・デザインおよびバイオデザイン研究の延長線上に位置づけられます。 「Concept and Reflection」における受賞は、シリカとキトサン濃度の最適化による難燃性能評価などの実験的検証と、日本の木密市街地および南海トラフ巨大地震リスクへの批判的・創造的な応答を統合しようとする SAMCARA Lab の姿勢が高く評価されたものと捉えています。 あわせて、本プロジェクトの遂行にあたり多大なご協力を賜りました、慶應義塾大学理工学部 応用化学科 准教授 博士(薬学)小椋章弘先生に、SAMCARA Lab 一同、深く感謝の意を表します。
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About KMD

The Keio University Graduate School of Media Design (KMD) addresses real-world challenges while envisioning optimal futures. Our mission is to pioneer "media design" - creating new connections between people and their environments - while developing "media innovators" who transcend traditional disciplinary and national boundaries.